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真実一路 [book]

 またまた、本棚のインテリアと化していた文庫本を制覇することに成功した。そんな大それたことではないが…。この本も、きっと中学生の頃に買ったような気がする。とにかく、文学青年にあこがれていたので、手始めに本棚に有名作家の代表作と思われるものを並べて、満足していたのだが、結局、ほとんど読む事もなく、文学青年になることもなく、バブル期にアミューズメント化した大学でモラトリアム期を過ごし、つまらない大人になってしまった。反省…。
真実一路.jpg

 さて、「真実一路」というタイトルは抜群に良い。きっと、タイトルに惹かれて購入したと思われる。正岡子規の言葉にインスパイアされて山本有三がタイトルにしたこの言葉は実に感慨深い。
 真実を貫くことが尊いことと思いながら、真実に傷ついていく人たち。そして、真実を隠そうとする大人と、イノセントな少年との衝突。特に、少年の心の描写が秀逸。
 健全な明るい文章ではあるが、ストーリーはかなり暗い。でも、読んでよかった。
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