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ぐるりのこと [映画]

 しかし、リリー・フランキーというのは不思議な男だとつくづく思う。バラエティ番組では飄々と下品な話題を展開するし、「東京タワー」なんていうベスト・セラーを書いたかと思えば、イラストレーターとして「おでんくん」なんかを描いて子どもの心をつかんだりする。そして、演技なのか、そのままなのかわからないような役で映画のメインロールをつとめたりする。別に好きではないが、不思議な魅力を持った人間だと思う。
 その「ぐるりのこと」であるが、映画好きが満足する大人の映画といった感じ。一回見ただけでは、なかなか消化できず、感想を書くのが難しい。でも良い映画であることは間違いない。
ぐるりのこと.jpg
 
 1993年からの約十年間の夫婦の歩みを社会的な事件とともに描くヒューマンドラマ。出版社に勤める翔子は几帳面な性格。一方夫のカナオはどこと無く頼りない。二人の間には小さな命が与えられ喜びをかみしめていた。カナオは法廷画家となり家庭を築いていこうとする。しかし、子どもを失ったことにより、翔子は鬱病に。そんな翔子をカナオは温かく支えながら二人は平穏をとりもどしてゆく。
 リリー・フランキーそのもののようなカナオは、かなり味のある演技になっているが、翔子役の木村多恵の演技が素晴らしい。壊れていく様と回復。演技とは思えないリアリティがあり、見ていてかなり辛くなってしまう。
 なかなか消化しきれないが見所のある映画だった。
 満足度★★★☆
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