月岡温泉 さかえ館

　月岡温泉はかなり好きな温泉地だ。硫黄臭が芳しく、美しいエメラルドグリーンの湯は日本中でも屈指の温泉に数えられるだろう。新潟県内では咲花温泉とよく似ているが、月岡は油膜ができるような濃い泉質でアブラ臭を感知することができる。これに比べて咲花はピュアな硫黄臭という感じ。咲花のほうが熱めだろうか？温泉街としては、阿賀野川沿いにこじんまりと形成されている咲花のほうが私は好きだ。田園地帯に突如、不夜城のように現れる月岡温泉はちょっとケバケバしい。でも温泉まんじゅうは月岡の方が美味しい。
　と、月岡と咲花の対比を述べてしまったが、月岡の方にアドバンテージがあるのは湯治旅館がある点だ。咲花に200円くらいで入れる共同浴場があればパーフェクトだと思うのだが、残念ながら咲花には共同浴場は無い。月岡には共同浴場はあるが値段が高く、お湯の鮮度もイマイチ。しかし、月岡には魅力的な湯治旅館がいくつかある。
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名湯・月岡温泉「さかえ館」
　「さかえ館」がその一つ。月岡温泉街の中央にある。駐車場も備えてあり便が良い。駐車場で車から降りすると硫黄とアブラが混じったような濃厚な温泉臭が鼻につく。この「さかえ館」は源泉から非常に近い位置にあるのだ。そのため鮮度は抜群。
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小さい方は家族風呂
　そして、圧倒的な魅力はコストパフォーマンス。300円の入浴料は月岡最安値と思われる。浴室は二つ。2人も入ればいっぱいと思われる家族風呂と、混浴の大きい浴室。混浴だが、女性が入っている場合は男性は女性が上がるまで待つというルールらしい。訪問日は誰もいなかったので大きい方に入るように勧められる。
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　混浴の大浴場
　月岡らしい鮮やかなエメラルドグリーンの湯が嬉しい。お湯の表面には油膜が浮いていて鮮度のよさと泉質の濃さをうかがわせる。糸くずのような湯の花も大量に舞っている。実に気持ちの良いお湯だ。
　月岡には「熊堂屋」という魅力的は湯治旅館がある。こちらは円形の実に味のある湯船が感動的だ。それに比べると「さかえ館」は平凡な浴室。でも入浴料は「熊堂屋」の半額。お湯の鮮度はどちらも抜群だが、「熊堂屋」はタオルが使える。そのあたりで使い分ければよいと思う。駐車は「さかえ館」の方がしやすい。
　しかし、月岡の湯は素晴らしい。そのお湯を300円で、しかも貸切で提供してくれる「さかえ館」は本当に素晴らしい。
　おススメ度★★★★★