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もうひとつの「夕凪の街 桜の国」  [ひとりごと]

 「夕凪の街 桜の国」の原作を読んだ。原作は漫画なので、bookのカテゴリーには入れないことにする。マンガのカテゴリーを作っても良いのだが、さらにマニアックなブログになるのもどうかと思うので、今のところマンガのカテゴリーは作らないでおく。
 映画も素晴らしかったが、原作も素晴らしかった。どちらが良いかとか、どちらが好きかというのも色々な意見があると思うが、どちらにも良い部分と好きな部分があるという程度の感想にとどめておく。
 映画においては「夕凪の街」のインパクトが大きく、「桜の国」については優れた続編くらいの意識しかなかったのだが、原作を読んで「桜の国」への思い入れがぐっと強くなった。
こうの1.jpg

遅ればせながら原作入手

 原作者のこうの史代という人については、全く知らない。他の作品も全く知らない。ただ、どこで入手したのか広島出身、東京都中野区在住という情報のみ持ち合わせていた。映画でははっきり描かれていなかったが、原作でわかったことは「桜の国」の舞台は中野区だった。それも西武新宿線の新井薬師前だった。 
 新井薬師前駅界隈は、私にとっては特別な街だ。そこに住んでいたわけではない。しかし、私はその街の教会で中学生の時に洗礼を受け、高校時代の多くの時間をその街で生きた。原作のあとがきによると、「桜の国」の舞台は昭和62年の中野区とのこと。まさに高校生の私が、あの街を歩いていた時間ではないか。
 私が子供のころの中野区は、高層マンションはまだ少なく、駅から少し離れたところにある給水塔が、私には妙に魅力的に、どこか異国的な、懐古的なモニュメントとして見えていた。子どもの足ではちょっと冒険だったが、初めてその給水塔のある公園にたどりついた時はとても興奮した。それ以来、時々、その給水塔の公園に出かけてみた。
こうの2.jpg
 
原作の中には見慣れた景色が…

 原作の漫画の中には、なんとその給水塔のある「水の塔公園」が登場する。すると「桜の国」の桜は、いつも教会のみんなと花見に出かけていた「哲学堂」の桜なのではないか?きっとそうに違いない。どうして映画は給水塔のある公園や哲学堂でロケを行なわなかったのだろう?そうすれば、もっと良い映像になったはずだと勝手に思い込んでいる。
 漫画に知っている景色が登場すると言うのは不思議な気分だ。映画やテレビでも不思議な気持ちになるが、それ以上に不思議な感じだ。私は。「夕凪の街」の広島も「桜の国」の中野も住んだことこそないが、とても思い入れのある街だ。あの生ぬるい瀬戸の夕凪も、神田川に舞い散る満開の桜も私は知っている。それだけで、「夕凪の街 桜の国」と繋がっているような、あの原爆の出来事が、私の人生と深く関わっているように思えてきた。こじつけのようだけど、そう感じていることは、私にとって大切なことのように思える。
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コメント 2

わだみ

 しゅじさん、こんにちは。

 私自身、この作品にどのようにして出会ったのははっきりと覚えていないのですが、たしか沖縄の平和祈念資料館に行った後で、原作を読んで、広島平和記念資料館に行きました。なんか「感じ方」が違ったのですが、なにがどう「違う」のかよく分かっていなんですが…。
 今、「夕凪の街」に住んでいます。この街に住むことを決めたのはこの作品の影響が大半を占めていたりします。

 コメントっていうか他人のブログを借りて感想を述べてるだけですね、これじゃぁ(^_^;)

 しゅじさんにとってこの作品が不思議な形で繋がっていたんですね。それを知ることができてなんか嬉しいです。


by わだみ (2008-05-24 14:37) 

しゅじ

わだみさん、こんにちは。そしてコメントありがとう。
夕凪の街での新生活はいかがですか?
ちょっとこじつけみたいな記事だったのですが、喜んで読んでいただき光栄です。ちょっと忙しくしていて、更新が遅れ気味ですが、ネタはたまっているので、遅れても載っけて行こうと思っています。
また、気軽にコメントしてくださいね。
by しゅじ (2008-05-24 23:51) 

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