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獣の奏者 [book]

 どうもファンタジーというのは昔から苦手である。何の説明もなく、にわかに妖精が現れたりするのはどうなのだ?と感じてしまうことが多いのだ。そんな、私であるがとりつかれたように、ハイスピードで一気に読んでしまったのがこの「獣の奏者・闘蛇編」と「獣の奏者・王獣編」である。
獣の奏者.jpg

 この物語はNHK教育テレビにてアニメ化されているので、子どもたちが見ていたのだが、こんな原作があるなんて知らなかった。
 作者の上橋菜穂子という人は、プロフィールを見ると大学の先生ということ。大学の先生がこんな物語を考えたのか?と思ったが「指輪物語」のトールキンだって、「ナルニア国物語」のC.S.ルイスだって大学の先生だ。ファンジーというのは昔から大学の先生が副業で生み出すものなのだ(?)。
 この作者の文章力は卓越している。そもそも、荒唐無稽なファンタジーの世界に説得力を持たせるには圧倒的な文章力が必要なのだ。それによって、空想でありながら世界観と歴史観に立体的なリアリティを持たせることに成功している。
 もちろん、ナウシカの影響とかあると思うが、このファンタジーはどことなくアジアっぽいところに、オリジナリティを感じる。自然崇拝的な思想は、私のキリスト教的世界観とは相容れないけれど、これは見事な作品だ。
 最近、続編が刊行された。ものすごく気になるが、ラストシーンも圧巻だったので、続きの必要性にはちょっと疑問。その疑問を吹き飛ばす続編であることを期待したい。
 あと、これもナンセンスと思いつつ、この作品をジブリで映画化して欲しい。王獣が空を飛ぶシーンをジブリ映像で見てみたいものだ。
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