遅れてきたブラジル人

　約一ヶ月ぶりのサッカー観戦。今シーズンはゴール裏で観戦してきたが、職場の人にバックスタンド上段の招待券を頂いたので、いつもと違う雰囲気とアングルで応援。今年のアルビレックスのホームゲームはなぜか天気が悪い。そして今日の天気予報も雨だったが、午前中はなんとか雨も降らずに過ごせた。ところが、試合開始２時間前くらいから雷が鳴り始め、不安な空模様。雨を覚悟でスタジアムへ向かう。
　今日の対戦相手はヴィッセル神戸。J２より昇格し、５月を３勝３分けと無敗で乗り切り、現在勝点は２０と新潟と並び、得失点差で８位と好位置をマークしている。特に大久保が日本人最多の８ゴールと調子を上げている。しかも、大久保はこの日誕生日だそうで、乗せたくはない。神戸はチームの支柱である三浦淳宏が監督との行き違いでチームから離れていることが公になり、微妙なチーム事情のようだ。
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　アルビレックスコールをくれた神戸サポは好印象。
　はるばる神戸から来たサポーターは雨を避けて屋根のある位置にかたまっての声援。試合前に神戸側から聞こえてきたアルビレックスコールには予想していなかっただけに胸を打たれた。
　予想通り雨の中のキックオフ。神戸はかなり引いて守っていることもあり、新潟は敵陣までは容易にボールを運ぶことができる。しかし、ラストパスの精度、シュートの精度が甘く、ボールを支配しながらも決定的な場面を作ることができない。そんな風に試合が流れていく中で、よいテンポで神戸のボールがつながり、レアンドロに強烈な先制シュートを奪われる。ちょっと新潟の気持ちが切れていた時間のようだが、神戸の見事な攻撃だった。その後、新潟はボールを奪うも、ただ前方に放り込むだけのような単調な攻めが続く。先制されて動きが悪くなり心配していた頃に、ゴール正面でFW矢野が倒され、絶好の位置でフリーキック。蹴るのはマルシオ・リシャルディス。前節のジュビロ戦でもFKを決めていて、かなり期待できる場面。マルシオ・リシャルディスは今年加入した新外国人。それもキャンプが終わってから登録された。今年の新潟は少数精鋭ながら、他チームのレギュラークラスを獲得し、楽しみな新チームが構想されていたので、いまさら新外国人は必要ないのでは、と思っていた。しかし、小柄なこのブラジル人は本当に正確なキックの持ち主で、昨年はまったく得点の匂いのしなかったCK、FKを本当にチャンスに変えてくれる逸材だった。そして、この場面も大観衆の期待に応え、見事な同点ゴールをゲット。１対１で前半を折り返す。
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今日は内容も良かった。
　後半も、マルシオ・リシャルディスだった。矢野からの折り返しをヘディングで逆転ゴール。この遅れてきたブラジル人は本当に頼りになる男だ。こうなれば、ゲームは新潟のもの。持ち前の運動量と圧倒的な声援をバックにエース・エジミウソンのダメ押しゴール。３対１の完勝。東北電力ビックスワンスタジアムには、今日、お披露目のマルシオ応援歌がこだました。
　さて、今日の試合はニコライ・フォルクアーツという外国人の審判が笛を吹いた。先日のキリンカップに合わせて来日した審判ではないかと思うが、試合の流れを止めない見事なレフェリングだった。残念ながら日本人の審判のレベルはまだまだだと思った。
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　快勝！次回は日本人のゴールが見たい。
　アルビレックス新潟は連勝で上位進出も夢ではなくなってきた。司令塔のシルビーニョの離脱は痛いが、シルビーニョなき布陣で連勝。このフォーメーションでも十分機能してきた。これから、大宮、横浜FC、千葉と下位チームとの戦いが続く。昨年は、下位チームとの対戦をことごとく取りこぼし、上位から勝点を上げながら１４位に終わった新潟。今年はきちんと勝ちきって欲しい。時節は矢野とマルシオが累積警告で出場できない。厳しい状況だが好成績を期待したい。
　通算観戦成績６勝２敗４分。