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innocentじゃない [メッセージ]

 『悪を行なうものに対して腹を立てるな。』(旧約聖書・詩篇37篇1節)

 今朝読んだ聖書の言葉。今日の社会正義に対して逆説的な言葉だ。新聞紙面はここ数日不二家事件を扱っている。確かに不二家の不正は忌忌しき出来事である。きちんとした原因の究明や再発防止がなされなければならない。
 しかし、ここ最近の報道や世論は、失敗に対して、この時とばかり徹底的に叩きまくるという姿勢に思えるのは私が甘いのだろうか?
 不正は、当然いけないことであるが、しかし、失敗をしてしまうのが人間であり、社会は過失を前提に成り立っている。失敗に対して、攻撃する事は簡単だ。しかし、容赦なく攻撃できるほど、みんな正しいのだろうか?少なくとも、私はそんなに正しい人間ではない。
 イジメの問題やブログの炎上など、構造は不二家事件と根本的には同じように感じる。こいつは悪いヤツだから、いっせいに石を投げろ!という正義をタテマエに、いっせいに石を投げつける。これが今の日本人の体質だ。
 この問題は日本人の宗教観と関わっていると思う。基本的に「神」を意識しない日本人は悪に対して自分が裁くという倫理観を持っているのではないだろうか?しかし、キリスト教やイスラム社会のように、悪を裁くのは神という概念を持っていれば、反応は違うと思う。神=裁き主という概念が無いわが国では、自分=裁き主=神になってしまうということに気がついているだろうか?
 やがて、必ず次の不二家事件は起きるだろう。不正と過失がこの世の中の前提なのだから。雪印事件で学んだことが生かされないとジャーナリストは言うだろう。しかし、雪印事件で学んだ事とは何だ?皮肉をこめて言うなら、私は、失敗をすると徹底的に潰れるまで叩かれる。わが国のマスコミは、世論は、失敗は絶対に許さないということを学んだ。しかし、それでは世の中は変わらないだろう。失敗を知った後、やり直す事を認め、励ます社会を私は見たい。不二家事件がどう落ち着くのかは全くわからないけれど。


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