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J.BOYな帰り道 [メッセージ]

 連日の残業と日曜出勤でクタクタだ。帰り道、車の中でFMからは浜田省吾の「J.BOY」が流れてくる。日本の平均的労働者の喪失感というか失望感というか虚無感というか、そんな感じのモノを歌い上げたハマショーのスタンダードナンバーだ。
 いまやJリーグなど、日本を表す意味で「J」と表記するのは珍しくもないが、日本を「J」と表現したのは内村鑑三以来と思われ(本当か?)、そのセンスは先駆的だった。
 浜田省吾のいうアーティストは、日本では数少ないロックンローラーと呼べるアーティストだと思う。ロックというジャンルの音楽をやっているミュージシャンはおつりが来るくらいいるけれど、メロディにメッセージをのせられるアーティストはごく僅かだ。
      
 「J.BOY」は1986年に発表された同タイトルのアルバムの鍵となるナンバーだが、2枚組みというボリュームで発表されたこのアルバムを、学生時代、90分テープに落として車の中でよく聴いていた。数年前、中古CDショップでやたらとキレイなCDが安く売られていたので衝動買いしたら、1999年に新録されたというバージョンでちょっとガッカリした。この新録アルバムはファンの間ではどんな評価なのだろう?
 「掲げてた理想も今は遠く」「守るべき誇りも見失い」と歌うハマショーの歌声は家路につくプロレタリアートの心に沁みるのだ。数え切れない日本の労働者たちが、この歌に自分を重ねたのだろう。疲れ果てた日常にわけもない怒りを覚え、恋人を抱いても、バイクを飛ばしても満たされないJ.BOY。しかし、浜田省吾は「打ち砕け、日常ってやつを」「乗り越えろ、悲しみってやつを」「受けとめろ、孤独ってやつを」「吹き飛ばせ、虚しさってやつを」と歌い、全国のJ.BOYへの応援歌としてメッセージを送り曲はフェイド・アウトしていく。
 実にストレートな叫び。これぞロックだ。でも残念ながらハマショーの歌で元気になれても、根本的に日常、悲しみ、孤独、虚しさを福音抜きに解決する道は無い。だから、この真実な叫びを無視してはいけないのだ。


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