SSブログ

ぐるりのこと [映画]

 しかし、リリー・フランキーというのは不思議な男だとつくづく思う。バラエティ番組では飄々と下品な話題を展開するし、「東京タワー」なんていうベスト・セラーを書いたかと思えば、イラストレーターとして「おでんくん」なんかを描いて子どもの心をつかんだりする。そして、演技なのか、そのままなのかわからないような役で映画のメインロールをつとめたりする。別に好きではないが、不思議な魅力を持った人間だと思う。
 その「ぐるりのこと」であるが、映画好きが満足する大人の映画といった感じ。一回見ただけでは、なかなか消化できず、感想を書くのが難しい。でも良い映画であることは間違いない。
ぐるりのこと.jpg
 
 1993年からの約十年間の夫婦の歩みを社会的な事件とともに描くヒューマンドラマ。出版社に勤める翔子は几帳面な性格。一方夫のカナオはどこと無く頼りない。二人の間には小さな命が与えられ喜びをかみしめていた。カナオは法廷画家となり家庭を築いていこうとする。しかし、子どもを失ったことにより、翔子は鬱病に。そんな翔子をカナオは温かく支えながら二人は平穏をとりもどしてゆく。
 リリー・フランキーそのもののようなカナオは、かなり味のある演技になっているが、翔子役の木村多恵の演技が素晴らしい。壊れていく様と回復。演技とは思えないリアリティがあり、見ていてかなり辛くなってしまう。
 なかなか消化しきれないが見所のある映画だった。
 満足度★★★☆
nice!(0)  コメント(0) 

八日目 [映画]

 私の記憶が確かなら、公開時にクリスチャン新聞で紹介されていたはず。その時から、見たほうが良いのかな?と思っていたが、いつものように見る機会を逸していた作品。フランス語の音は嫌いではないけれど、フランス映画はちょっと苦手な私であるが…。
八日目.jpg

お子様なのでフランス映画はあんまり理解できません…
 
 大好きな母親が他界し、もう何年も施設に家族がたずねてくることのないジョルジュ。そして、新銀行の社員教育担当重役のアニー。職場では超やり手であるが、家庭生活は破綻している。そんな二人がひょんなことで出会い、不思議な旅がはじまる。さまざまなトラブルや悲しい出来事を共有しながら、お互いの心は通じ、回復へ向かってゆくが…。
 この映画は良い映画という評価が多いようだ。その評価は分からなくもないが、やはりラストの展開は私の好みではない。フランス映画は馴染まないのかな?だた、随所に煌く場面やセリフが散らばめられていて、フランス映画が苦手な私にはトータルでは理解できない部分も多いが、印象的な場面やエピソードはたくさんあり、インパクトのある映画ではあった。しかし、どんな理由でクリスチャン新聞に取り上げられていたのか、今ひとつピンとこなかった。
 満足度★★★
nice!(0)  コメント(0) 

20世紀少年 第2章 最後の希望 [映画]

 人気コミックの映画化続編。全部で三部作ということなのでちょうど真ん中の作品にあたるというわけだ。とにかく、金をかけて作っていることは豪華キャストからもわかるし、前作もかなりヒットしたらしく、2作目のプロモーションもすごい。私はコミックも大好きだし、前作の出来もなかなかだったので、さっそく見に行ってみた。
20世紀少年.jpg
 
 
前作のほうが完成度が高かったような気が…

 この作品(コミック)は特にキャラクターが魅力的で、そのキャラクターそっくりに扮した役者達が面白い。しかし、時間の制限がある映画の中では原作のキャラクターの魅力が充分に表現されていないのが残念だ。そのような点と、原作との違いが一作目以上に気になってしまった。やはり、基本はコミックであって、読み込むと映画も楽しめるという感じかな。オッチョが教会に飛び込んでくるシーンは原作に負けないくらい超カッコよかったけれど。
 満足度★★★
nice!(0)  コメント(0) 

おばあちゃんの家 [映画]

 ずっと長い間、見る機会を逸していた映画が「おばあちゃんの家」。上映された頃は、一部で、かなり高い評価を得ていた。ちょうどビデオからDVDに切り替わった頃の作品だったんで、レンタルショップで見つけにくかったのと、忘れていたこともあって今日まで見られずにいた。
 ソウルで母親と二人で暮らすサンウ。失業中の母親の職探しの間だけ、祖母に預けられるが、祖母が暮らす家は、バスを乗り継ぎ、ようやくたどり着くものすごい山奥だった。字の読み書きもできず、言葉も話せない祖母に対して典型的な現代っ子のサンウはわがままし放題。しかし、何も文句を言わず、ひたすら孫を愛し続ける祖母の態度に、サンウの変化と成長が見られる。
おばあちゃんの家.jpg
 
 素朴な作品。とにかくおばあちゃんがすばらしい。何をされても怒らず、ひたすら愛し続ける。よほどのひねくれものでない限り感動するはず。
 それにしても、この映画の時代設定ってどれくらいなのだろうか?サンウのコンピューターゲームの音からすると80年代後半か90年代前半と想像するが、その頃の韓国には、舗装されてない道路をバスで乗り継いでいかなければたどり着けない山村があったということだろうか?ゲーム用の電池は売ってないなくて、暴れ牛が頻繁に出没する山村…。ちょっとびっくりだ。
 満足度★★★
nice!(0)  コメント(0) 

マーサの幸せレシピ [映画]

 最近リメイクされた方が話題のようだが、ひょんなことでオリジナルの方の「マーサの幸せレシピ」を見てみることになった。
 ドイツ・ハンブルグにある洒落たレストランの一流シェフ・マーサは自分の料理には絶対の自信を持つ。自分の料理を認めない客にはケンカ腰の応対だ。そのため、オーナーからは「街で二番目のシェフ」と呼ばれている。30代でキャリア志向の強いマーサは料理の事しか頭になく、デートを楽しむこともなく、カウンセラーの精神科医にも一方的に料理の話をするだけで心を開こうとはしない。
幸せレシピ.jpg
 
心の変化が静かに描かれています

 そんな彼女に転機が訪れる。シングルマザーの姉が交通事故で突然他界し、残された一人娘のリナとの共同生活が始まる。母の突然の死を受け入れることが出来ず、食事をしないリナに自分の姿を見る思いのマーサ。そんな中、彼女が勤めるレストランに産休に入る同僚の後任として陽気なイタリア人シェフのマリオがやってくる。自分と正反対のマリオにマーサは嫌悪感を示すのだが、マリオが作ったパスタをリナが美味しそうに食べたのだ。このことをきっかけにマーサの心に、そして人生に変化が起こってくる。
 展開やストーリーは面白い。登場人物の心の変化が非常に静かに描かれている。たぶん、リメイクされた方は、もっとドラマチックに描かれているのではないかと予想するのだが、この静かさがドイツ人のフィーリングなのかな?ちょっと物足りない感じがしないでもないけど。
 満足度★★☆
nice!(0)  コメント(0) 

クール・ランニング [映画]

 昨年、「ガチ・ボーイ」を見ていたら小2の息子が食い入るように見始めて親子での映画鑑賞となってしまった。変な部分が遺伝したらしく、スポーツものには反応するらしい。そこで、家族でも見られる健全な映画の代表として「クール・ランニング」を借りてきた。
 1988年のカルガリー冬季オリンピックに、雪のない南国ジャマイカからボブスレーチームが参戦したという実話をモチーフに作られた、笑いと涙の爽やかなディズニー映画。
クールランニング.jpg

実話をモチーフにしたジャマイカ初のボブスレーチーム奮闘記

 親子でのオリンピック出場を目指していたデリスは、短距離走の選考会で不慮の転倒事故に巻き込まれオリンピック出場の夢を断たれてしまう。失意の中、陸上選手であった父と並んで写る白人男性・アーブの写真を見つけたデリスは、その男がボブスレーのメダリストでジャマイカに在住であることを知る。デリスの熱意と不思議な仲間達に根負けしたアーブはジャマイカ初のボブスレーチームを結成しオリンピックを目指すが…。
 この映画のラストシーンは秀逸である。何度見ても感動してしまう。私が見た映画のなかでもラストシーンとしてはベスト5に入ると思う。ディズニーらしいコメディと爽やかな感動を味わえる名作。実にファミリー向きな傑作。
 満足度★★★★★
nice!(0)  コメント(0) 

チーム・バチスタの栄光 [映画]

 サスペンス映画のはずだが、主演の二人が緊張感のないキャラクターとなっていることもあり、不思議なテンポを楽しみながら、一気に見てしまえる娯楽映画。
バチスタ.jpg

シリアスとコミカルが融合したミステリー
 
 成功率60パーセントと言われる心臓手術を東城大学付属病院が誇る「チーム・バチスタ」は26例もの手術を連続して成功させていた。しかし、3例続けてバチスタ手術に失敗。いずれも術中に死亡したのだ。心療内科の田口が内部調査を行なうが、真相を突き止めることは出来ない。そこへ、厚生労働省の白鳥があらわれ、調査を継続される。はたして、事故なのか? 殺人なのか?
 ストーリーは、なかなか良く出来ていて、ミステリーとしてはお約束の意外性も含まれているラストも楽しめる。竹内結子はやはり芝居の上手な女優だと思ったが、久しぶりに、その姿を見た吉川晃司が良い演技を見せて、思わずモニカを歌いたくなった(嘘)。
 満足度★★★☆
nice!(0)  コメント(0) 

ショコラ [映画]

 今年、最初に鑑賞した映画は2000年公開の「ショコラ」。何気なく見始めてしまったが、チョコレートを食べながら見ればよかった。とくかく、チョコレートが食べたくなってしまう映画。
 北風に誘われて旅を続けるヴィアンヌと娘アヌークはフランスの小さな村にたどり着く。ここで二人の生活を始めることを願うが、因習の強い閉鎖的な村では彼女たちが受け入れられることはなかった。しかし、彼女の作る不思議なチョコレートが頑なな村の人たちの心を次第に解きほぐしてゆく…。
ショコラ.jpg
 
 
今年最初に見たのは「ショコラ」

 ちょっと不思議で、シリアスな出来事をちょっとコミカルに演出したお洒落な映画。ラテン系の音楽も良く出来ている。映像も美しく、すぐに世界に入れて、最後まで一気に見ることができるまとまりの良い作品。
 本論とは少し離れるが、形骸化し、禁欲主義的に規律を強要する教会は、人が集まっていても無意味であり、話術は稚拙でも自分の言葉で懸命に語る若い神父のメッセージは会衆の心をとらえるというエピソードは非常に面白く、考えさせられた。
 満足度★★★★
nice!(0)  コメント(0) 

ガチ☆ボーイ [映画]

 久しぶりに胸が熱くなって感動する映画に出会った。私にとってはストライクゾーンど真ん中の映画。はっきり言ってめちゃめちゃ面白かった。
 上映されていた時期、かなり評判が良かった。話題にもなっていたし、見たいな、と思っていたが「プロレス映画」という情報が足を遠のかせた。確か、仕事中に聴いたFMでプロレスを通じて生きていることを証するという内容のような感じで紹介されていて、もしかしたらついて行けない世界かもしれない。だったらレンタルでいいかな?と考えたような記憶がある。
 司法試験の合格も夢ではない秀才大学生の五十嵐はある日、突然プロレス研究会の門をくぐる。「マリリン仮面」のリングネームをもらい張り切る五十嵐だが、彼は自転車事故で記憶が一日しか持たないという後遺症を抱えていた。そのために段取りが覚えられず、仲間達との間に摩擦が生じる。また、将来を悲観した家族との溝も深まるばかり。そんな五十嵐にとって、記憶がなくなっても、体にはアザが残り、翌日も痛みを感じるプロレスはまさに生きている実感そのものだった。
ガチ☆ボーイ.jpg
 
ガチ☆ボーイ最高!

 なんだか、色々な映画のエッセンスがちりばめられているような感じがしないでもない。「シコふんじゃった」のような「博士の愛した数式」のような「いま、会いにゆきます」のような「ロッキー」のような。私の好きな映画ばかりだけど。しかし、オリジナリティを感じる映画に仕上がっている。
 この映画はカメラアングルやカット割が基本に忠実で見ていて安心感がある。CGなども一切使わずに、まさに役者達のガチンコの演技は目を見張るし、ウルフルズの挿入歌もGood!
 とにかく、笑えて、泣けて、考えさせられる素晴らしい娯楽映画だった。
 満足度★★★★☆
nice!(0)  コメント(0) 

スウィングガールズ [映画]

 子どもたちが、夕方の再放送を見て「のだめカンタービレ」にはまっていたので、キャストがかぶっている「スウィングガールズ」を家族で見てみた。
 この映画は、もう何度も見ている。最初に見たときは「ふうん」くらいの感想しか持たなかったけれど、何回も見ているということは嫌いではないということだと思う。そして、私にとっては何度でも見ることができる映画だったらしい。
スウィングガールズ.jpg
 
 
ちょっとマンガっぽいがなかなか楽しい作品

 舞台は東北の普通の高校。ひょんなことから楽器に触れた高校生達がジャズの魅力にとりつかれ、どんどん成長していく青春映画。あまりにマンガチックなので、最初はちょっと敬遠したが、この映画のもつ笑いのセンスは悪くはない。
 上野樹里や貫地谷しおりという、いまや人気ドラマでメインロールとなっている女優達のデビュー時期の演技を楽しむこともできる。
 圧巻は、ラストの演奏シーンだが本当に彼女たちが演奏しているというのが素晴らしい。のだめのピアノより、本当に演奏しているスウィングガールズのサックスの方が圧倒的な説得力がある。
 満足度★★★☆
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。